アルベルト・アクイラーニ(ミラン/イタリア代表) 待ち望んだ正念場
インタビュー
アルベルト・アクイラーニの意外性溢れるパス、ボールキープの能力に疑いはない。しかし彼のキャリアにおいて、その実力を存分に発揮したシーズンはなかったと言っていい。これまでローマ、リヴァプール、ユヴェントスとビッグクラブを渡り歩いたものの度重なるケガや不調に悩まされ、かつて世界中の期待を集めた《ヤングスター》はいつの間にか、27歳になっていた。
そして今、長きにわたって歯がゆい思いをしてきたアクイラーニが、正念場とも言うべきシーズンを過ごしている。今シーズンがスタートする直前、電撃的にミランへの移籍を果たし、新天地では好調を持続。第17節終了時点で首位を走るチームに大きく貢献している。
数々の苦難を乗り越えたことで彼は何を得たのか。確かな成長を遂げたアクイラーニが、過去、現在そして未来を語る。
プレミアの激しい戦いを体感できたのは僕にとって大きかった。
──昨年、君は移籍期限ギリギリまでリヴァプールに在籍していた。本当は他のクラブへ移籍するつもりがなかったの?
【アクイラーニ】昨年の夏の始めにはどこからもオファーがなかった。だけど、僕は失望していなかった。自分の能力に自信があったし、どんな状況に置かれているかも理解していたからね。つまり僕は契約でがんじがらめの状態にあったんだ。リヴァプールは僕を獲得するため、既にローマに約22億円もの大金を支払っていた。だから、簡単に僕を手放すことができなかったんだ。僕自身、キャリアをアップさせたいという気持ちは強かったんだけどね。
──結局、移籍市場が閉まる直前を見計らって、ミランはリヴァプールにオファーを提示した。リヴァプールが断れない時期に提示したこのオファーは実に巧みだったよね。
【アクイラーニ】シーズン終了後に、ミランが僕の買い取りオプションを行使するという条件付きのレンタルなんだけどね。でも僕は、この移籍がキャリアにおける重大なターニングポイントになってくれることを願っている。僕はミランへの移籍をとても喜んでいるんだ。
──リヴァプールでの経験は、君の成長にどう影響したと思う?
【アクイラーニ】プレミアリーグの激しい戦いを体感できたのは僕にとって大きかった。残念ながらケガで出番は少なかったけど、もし昨年の夏にミランからオファーがなかったら、まだ数年はリヴァプールでプレーするつもりだったんだ。体調さえ良ければプレミアで良いプレーができると確信していたしね。イングランドの厳しいファンから支持されたと実感できたことも、自信につながった。僕にとって、ファンの気持ちをつかむということは何より重要なものなんだ。ファンに支持されることで、実力を最大限に引き出すことができるからね。今、ジュゼッペ・メアッツァでもファンの期待を感じている。だから僕は良いプレーを続けることができるのさ。
──じゃあ、かつて在籍していたローマを離れる時はどんな気持ちだった? ファンの気持ちを大事にする君にとって、ローマの街とローマを離れることはとてもつらかったんじゃない?
【アクイラーニ】すごくつらかったよ。僕はローマ生まれだし、生粋のロマニスタだったからね。以前は、ローマで選手生活を終えるのが理想だったんだ。ロマーノでありロマニスタである者にとって、ジャッロロッソのシャツを脱ぐことがどれほどつらいことか、他の人には想像がつかないと思う。僕は子供の頃から、(フランチェスコ)トッティや(ダニエレ)デ・ロッシと同じようにずっとローマでプレーすると思っていたんだ。だけど、クラブは僕を売りに出した。あの時、クラブはお金を必要としていたのさ。だから僕が他のチームに移ることで、クラブに経済的余裕が生まれると考えるようにした。僕を放出することでローマが良くなるならそれが最高だとね。
──愛するローマの現状をどう見ている?
【アクイラーニ】センシ・ファミリーがクラブ経営から退いたことで一つの時代が終わった。偉大なプレーヤーを輩出したローマ、大きな勝利を手にしたローマの一時代が終わったということさ。でも、ファンは新たなオーナーに新たな成功を期待している。もちろん僕もさ。トッティがチームに残ったのはローマにとって幸いだったと思う。トッティがいる時といない時では、ローマの戦いがガラリと変わってしまうからね。監督のルイス・エンリケはトッティの重要性に気づいているようだし、トッティ自身の調子も良くなっている。彼を軸にしたチームは軌道に乗っていると思うよ。
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